認定調査を受けるための心得

楽するテクニック
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利用者の家族の中に、認定調査の立ち合いを「お願いします」とケアマネジャーに丸投げするかたがおられます。本来、在宅介護の場合は本人の日常をよく知るかた(家族など)の同席が基本ですが、仕事などを理由に支援者に任せ、認定結果が出てから不満や苦情を訴えるケースが見受けられます。
そうならないように、調査前に準備を整えて家族が同席するようにしましょう。

要介護度は必要最低限で良い

まずは、支援者とよく相談のうえ本人にはどのようなサービスをどれだけ必要なのかを認識しておきます。その際の費用もしっかり把握しておきましょう。

費用がかさむようなら、介護の必要量のうち家族ができることを行なえば費用が節約できます。要介護者に対してはたとえ身内でも、介護者の意識を持つと気持ちが楽になります。支援者のひとりとして、サービス計画に参加してください。

介護度が上がるほど、自己負担金は上がるという介護保険の仕組みがあります。
必要とするサービスを賄うだけの介護度があればいいのです。やたらに介護度を高く希望する方がおられますが意味のないことです。
「私(本人の家族)はこれほど大変なのだ」という意識が介護度が低く出た際に、自分を認めてくれなかったような錯覚に陥るのでしょうか、介護度を上げるための不服申し立てをする方が居られます。
サービス量が足りないのならともかく、さしてサービスも使わないのに、みすみす高い費用を支払うために介護度を高くする必要はありません。

主治医意見書の影響力

認定調査の日が決まったら早めに受診しましょう。かかりつけの主治医があれば事前に介護保険の認定調査のための受診だと伝えて行くと良いでしょう。
通常の診察と違って、医師は認定調査に必要な項目について調べる必要があるからです。
時間もゆとりをもって行きましょう。

医師はおうおうにして患者の日常の生活状態にはうとく、短い診察時間だけではなかなか家族にようには把握できません。まして、本人も医師の前では元気に見せるのはありがちなことです。そのため、医師が意見書に記入しやすいように、日ごろの生活状態を詳細に伝える必要があります。
本人あるいは家族が問題としているところはなにか。生活の何にどのように困っているのか。また、本人は分からなくなっているが、家族にはとても困っていたり悩んだりしていることなどを出来ればメモにして渡すと良いでしょう

顔見知りの医師で気軽に話せる間柄なら「サービスも今のままで十分だし、要介護1のままでいいんですけどぉ~」などと言ってみてはどうでしょう。在宅介護重視の昨今、医師の方も心得たもので「わかった。全部書くと危ないから端折って書きましょう」などと、案外親身になってくれるものです。

そのためには日頃から生活状態の変化を主治医に伝え、距離を縮めておくことが大切です。

調査日の心がまえと調査を受けるコツ

調査当日、とくに初めての場合は緊張してしまいますがポイントを押さえれば大丈夫!

認知症の家族の方によくありがちなのが、本人に恥をかかせないようにとの配慮なのでしょうか「今日は何日?何曜日?」や住所をおさらいさせたり、部屋を掃除して身だしなみを整えたりされることが多くあります。

逆効果にならないように、ありのままの状態で調査を受けるようにしてください。

また、介護度を重く(高く)したくない場合は、生活の困りごとや出来ないことを多く語らないことでしょうか(笑)
逆に介護度を重く(高く)したいという方には以下の方法をおすすめします(笑)

  • 要介護者の部屋はあまり整理されすぎてはいけない
  • 身づくろいをして化粧をする場合は思いきり色を付けたほうが良い。間違っても薄化粧で美しくしてはいけない
  • 当日の朝、カレンダーを見せて「今日は何日、何曜日」などと教え込んではいけない
  • 生年月日や年齢も反芻させて練習してはいけない、などなど。

調査の間、立ち会った家族は本人に聞かれたことを代弁してしまう方が多いのですが、どんな答えでも本人の答えるままにしておいてください。
調査員に本人の言ったことの訂正や伝えることがある場合は、調査後かならず、家族に聞き取りの時間を作ってくれます。
それに、場数を踏んだ調査員の彼らには、その答えや返事が見せかけのものか、正常であるかないかの判断はつくものです。

介護保険課からの調査員もしくは受託事業者だからとて、ベテランとは限りません。
型どおりの質問を本人に行った後、かならず補足や確認を家族に行うものですが、もし聞かないで帰ろうとする調査員が居たら遠慮は禁物。呼び止めて日ごろの状態を必ず伝えることが肝要です。もちろん、伝えやすいようにメモを取っておくことをおすすめします。

認定調査のポイント

多くの人が勘違いをしがちですが、介護保険サービスの利用量つまり介護度は介護の手間が多いか少ないかで決まります。

病状ではなく、日常生活の困りごとの状態如何で審査をします。
ここを念頭に置いて調査員とやり取りをするようにしましょう。
そうしないと、持病の説明や、病気の重篤さや大変さを話の中心としてしまい、ピントのずれた情報提供になってしまいます。

あくまで「・・・のために、本人は生活不便が多く、家族は〇□△のように介護の負担がかかって困っています」ということに主眼を置いて調査員に伝えるようにしてください。
・・・の部分は「~の後遺症のために」「高齢で歩けなくなり~」「物忘れがひどく~」など、介護が必要となった原因を伝えてください。
〇□△には、毎回トイレの介助をしている・食事は口に運んでやらないといけない・トイレを必ず汚すので掃除が大変・一日何回も電話をかけてきて仕事ができない、どこへ行くかわからないので目が離せない、などなどを明確に伝えられると良いでしょう。