ケアマネジャーの在り方を確認する―支援者の本来の役割とは

支援者向け
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はじめに

これからのケアマネジャーには、とくに特定事業所において、ヤングケアラー・障がい者・生活困窮者・難病患者など、介護保険外の制度についても深い知識が求められています。

現状では、高齢となった障がい者の相談件数が増加しており、障がいサービスにも精通したケアマネジャーが必要とされています。

介護保険対象の家族や、障がい福祉サービスから介護保険に移行する人々への支援が求められる中、高齢化が進む居宅介護支援の業界には、依然として昔気質のケマネジャーが存在しているのも事実です。

本稿ではそうした現状の問題点を整理し、ケアマネジャーの本来あるべき姿を認識することで、専門職にはさらなる啓蒙を、家族介護を頑張っている方には適正な専門職を見抜く目をもっていただくことを目的としています。

いまだに残る勘違いケアマネ

ケアマネジャーの中には、ケアプランを管理する立場であることを過度に意識し、あたかも全ての権限を握っているかのように振る舞う人が居ます。ケアマネジャーといえども、同じ支援者の一員です。

そうしたケアマネジャーは、利用者には低姿勢で接する一方、サービス事業者には上から目線で指示や指導をする傾向があります。

しかし、ケアマネジャーの本来の役割は、利用者の状況を把握し、適切なプランを作成することです。その際、必要とされる専門職に協力を求め、そのサービスを公平に調整することにあります。

その際、介護保険サービスのみならず、医療や地域資源も含めて専門職や支援者同士が対等な関係で協力しあうことが重要なのです。支援者の間に上下関係が生じることは、本来のケアの目的を見失わせる要因となりかねません。

形骸化する担当者介護

一部のケアマネジャーは、独断で自分が関係の深い事業所を優先し、ケアプランの内容をすすめてしまうことがあります。しかし、実際に利用者の現状を把握しているのは、月に1回訪問するケアマネジャーではなく、日々利用者と接しているサービス事業者なのです。

※確かに、同じ事業所ばかりに依頼するケアマネジャーにも言い分があるようです。なんどもミスをする事業所は心配で頼めないという理由もわからないではないのですが、それが信頼に基づいたものであるか、偏った選択かどうかを、ケアマネは毎回反芻するべきでしょう。
各事業所には個性があります。ケアマネはそれぞれの特徴をとらえ、各利用者に適切な事業所選びができるように、常日頃から事業者状況をつかんでおく必要があるでしょう。

また、担当者会議が形式的になり、短時間で終わることが「優秀なケアマネジャー」と評価される風潮もあるようです。しかし、本来の目的は、利用者にとって最適な支援を提供する事であり、時間をかけてでも意見を交わすことが大事です。

サービス事業者もケアマネジャーの顔色をうかがう必要はなく、自分たちの専門知識を 活かし、積極的にどうどうと発言すべきです。

なぜ生まれるケアマネジャーとサービス事業者の上下関係

事業者のスタッフは無意識のうちにケアマネジャーに向いて仕事をし、ケアマネジャーは保険者や地域包括支援センター、病院などを意識して仕事をする傾向があります。

これは、顧客(利用者)がどこから紹介されるかを意識した結果、生じる構造です。
しかし、ケアマネジャーを過剰に尊敬し、無批判に従うことは、独断的な「勘違いケアマネ」を生む要因になりかねません。

事業所が利用者を獲得するために営業上ケアマネジャーに配慮するのは理解できますが、ケアマネジャーを崇拝したり過剰に持ち上げたりすることは、誤った関係性を生む原因となります。

サービス事業者の役割と未来への提案

ケアマネジャーを育て、彼らが力量をつけていけるかどうかは、サービス事業者の姿勢次第と言っても過言ではないでしょう。サービス事業者は、利用者のニーズに基づき、必要な社会資源を積極的に提案していかなければなりません。

そして、ケアマネジャーはその提案に傾聴し、社会資源を発掘するために、各機関に働きかける努力をするべきです。

行政・サービス事業所・医療・ケアマネジャーが、それぞれ対等な立場で協力し合うことが大切だという認識を持つこと、そのことがより良い介護支援体制を構築する、正しい協働の形だといえるでしょう。

おわりに

介護保険制度の今後を創るのも、ケアマネジャーの良しあしも、サービス事業所の力は大きな影響を持っているといえるでしょう。互いの役割を尊重し、利用者本位の支援を実現するために、対等な関係のもと、協働意識を持つことが求められます。