熟練のケアマネジャーたちも頭を抱えてしまう家族が居ます。それは依存度の高い家族。
正確に言うと、ケアマネジャーに丸投げしてくるキーパーソンと、利用者に全く無関心な家族たちです。
家族が同居の場合
今日残業になったので、母(父)のことお願いします。
え、どゆこと?!こんな時間からサービスの手配はむずかしいですよ。
緊急ですから、何とかしてくださいよ!
「いやいや、これは緊急とはいいませんからぁー!」
これ、結構あるんです。
「ですからぁ、いつも申し上げているようにぃ、事業所さんもですね、予定にない急なサービスはムリですって~」なんて言っても全く聞く耳をもっていただけません。
有償(保険外サービス)の対応をすすめますが「そんな費用は払えません!」と、これまた一切聞き入れてくれません。
結局、困るのは遅くまで食事も摂れず放置される認知症の利用者です。
そうするとケアマネジャーは、短い時間で懸命に事業者探し、自分の業務もなにもかも中断し、依頼電話であっという間に貴重な時間がすぎてしまいます。
ようやく担当さんから「わかりました。それはお困りでしょう、〇〇時ごろになりますが伺います」と返事がもらえた時はホッとし一気に疲れが出ます。それでも都合がつかないでサービス不可能な場合には、結局無報酬でケアマネジャーが動くしかありません。
とりあえず冷蔵庫の中のものを見繕い、食べられるものを作ったり、お弁当を買って届けたりしなくてはなりません。もちろん、お弁当代は請求しますが。
家族が別居の場合
明日から母(父)がこちらに遊びに来ますのでサービスよろしくね!
え、あした?ですか・・・
(ね!じゃないわよ~。他府県じゃない、もぉーー)心の声
これもありがち。
介護保険サービスって行政ごとなんですよねぇ。そりゃ要介護の介護保険証持ってるからサービス使えなくはないですけどね。
サービス開始には段取りってものがあるのですよ。今日の明日っていわれましてもですねぇ・・
いちばん困るのは、一度こういういうことがあると、その手の家族は「やってもらえるんだ」と覚えてしまい、何度も要求してくることなのです。
えてしてこのパターンの家族には、正当な理由や気待ちを理解しようとする気持ちがないのではないかとさえ思います。介護保険をなめている?それとも私がなめられている? (☚きっとコレ)
なにしろ、ご承知のように介護保険サービスを利用するには、事前に必ず担当者会議なるものを行う必要がありますから、急にどこの事業所のサービスでもというわけにはいかないのですよ。
他府県に移動する場合も同じ。先方の行政や関係機関を調べて、サービス事業所をさがしてもらうなりしなくてはならないわけで。それ以前に担当者会議に出向くことができない距離だと、その土地のケアマネジャーから紹介をもらわなくてはならず、情報提供やらなにやらの事前連携を要するのです。
こういう方々はそのあたりの理解が望めず、自費対応も不可能な場合が多いので、支援側としては対応策を考えてしまいます。
対策を考えた
まず、訪問介護事業者については二者導入しておく。これはプランに理由を落とし込めば例外として認められる場合が多いのです。理由としては、利用者家族に説明を継続しているが理解に時間がかかるので、その間の利用者の保全のためとする、などとしておきます。要はこういう理由なので短期の間認めてくださいというものですね。その他、明確な理由があれば問題ないはずです。
ただし、これは各行政によって判断が違うのでどこでも可能というわけにはいきません。
デイサービスについても、延長が可能で夕食まで対応可能なところを設定しておきます。
ニッチもサッチもいかない場合に備えて、お泊りデイサービスを用意するなどあらゆる対策を立てておきます。それもこれも利用者ご本人が困らないためなのです。
本音を言えばこういうケースには、小規模多機能型居宅介護のサービスが望ましいのですが、それにしても緊急でもないかぎり、いかなショウタキさんといえども、予定のプランを大きく変更することは非常識というものです。
ショウタキさんについてはそれ以外にも、金額的に割高になることや、ケアマネジャー変更を強いられるなど多々問題があり、在宅のケアマネジャーから変更しにくいのが現状です。
小規模多機能型居宅介護利用については詳細ページがありますので参考にしてください。
まとめ
つまり、この手の家族さんはどうしたってケアマネに嫌われてしまいがちということです。支援者側は、相当イライラさせられ予定外の膨大な時間を消費してしまいます。
結局私たちは利用者のために動いてしまうので、そこを読まれているのでしょう。
ぜったい利用者を放っておくことはしないことを知っているのです。
家族に理解いただく努力は続けるとして、家族にもそれなりの事情があるのでしょうから、含んで対処していくのも役割だと受け取りケアマネジャーは最大限の努力をします。
また、そのストレスを使命感や達成感に変えていく方努力を続けるポジティブな仕事の仕方をするケアマネさんが多くいます。
こうやって心優しきケアマネジャーは、便利屋さんのごとく本来業務以外の仕事が終わりなく拡大していくのです。
もう一歩互いに努力し理解をすることで、もっと利用者ご本人の生活の質を向上することが出来ると思うのです。