利用者の今後の生活のカナメとなるケアマネジャーの選択を間違うと、改善できることもできなくなる可能性があります。
なにより、家族にとってはいちばんの力強い相談相手でなくてはなりません。
ケアマネジャーもいろいろ。愛想は悪くても真の通って誠実な人から、やたらおしゃべり好きな井戸端のような人まで個性があります。
しかし、介護保険を担う専門職であるケアマネジャーには、欠けてはいけない共通点があると信じています。
ケアマネジャーに備わっていてほしいスキル
- 常に成長するためのマインドセットをもっている。
- 支援経過で困難な場面でも投げ出さず、行政相手でも納得のいく方法に到達するまで利用者のために交渉することができる。
- 経験による話法やスキルを持っており、利用者・家族の不安を軽減することができる。
- 困難な依頼を体験することで自分が成長できることを知っているため、ものおじしない。また、ケースごとに自分の力量を正確に把握している。
- 自分ひとりでは支援ができないことをよく知っているため謙虚な姿勢で対応できる。
- 専門外のことは知ったかぶりをせず、その道の専門職と連携しチームをつくることができる。
- 話を丁寧に聞いてくれ、話しやすい雰囲気をまとっている。
以上がケアマネジャーが身につけているべき共通項目だと考えます。
利用者のその後のケアの質を決めると言っても過言ではない、重要な役割をもつケアマネジャーです。ケアは介護をするだけでなく、利用者の未来に向かって人間らしい生き方を探すことです。そのためにどんな状況下でも、利用者に未来への夢と希望を持ってもらえるためのケアマネジャーであるべきだと考えています。
はじめから全てを兼ね備えた人は居ないと思いますが、その場合でも前を向いて懸命に努力をしている人に担当になってほしいものです。
この姿勢のあるケアマネジャーなら選んで間違いないでしょう。
おそらく、利用者・家族の方からみても、表面や個性の違いはどうであれ、マインドを貫いている真摯な姿勢は分かるはずです。
ケアマネジャーを交代してほしいとき
とはいえ、初めての介護は相談した機関から自動的に流れに乗ってしまい、気がつけばケアマネジャーから介護保険サービスまで整ってしまうのが通り相場でしょう。
それで問題なく支援が行われ、本人家族もその結果に満足できていくのなら全く問題は無いのですが。
水面下で、ケアマネジャーに不満や疑問が蓄積するのを我慢している家族が多くいます。
「悪い人ではないのだけれど・・・」
たいてい家族はそう表現しますが、満足出来ていない証拠でしょう。
ケアマネジャーと意思疎通ができず、人間関係が育たない場合に「ケアマネジャーは何をする人かよくわからない」という印象を持ってしまうようです。
決まりどおりの訪問を行い、当たり障りのない世間話をして利用者宅にお愛想のひとつも言い、一般には読みづらいこと極まりないプランをやさしく説明することもなく置いて帰るパターンでしょうか。
利用者・家族としたら日常に顔を合わせているヘルパーやデイの職員とのほうが親密でいろいろ相談してもらい、月に1回顔を出すだけのケアマネジャーには、なんとなく相談する気持ちにもなれず「いったいこの人は何のためにいるのだろう」と感じてしまい、悪いひとではないんだけどネ、となるわけです。
ケアマネジャー交代の手順
自分で話せるのなら、ケアマネジャー本人と膝をつき合わせて話してみましょう。利用者・家族の希望することを、またケアマネジャーにはこういう姿勢を求めたいなど、具体的に話し合うのは大事です。
日常の業務に忙殺され、長年のストレスで疲弊しているケアマネさんでも、なんてったってケアマネの職業を選択した方ですから、ハッと我に返ってくれるものですよ。
ただ、相性は無視できません。これはどちらが悪いわけでもないのですが、無理をすると双方に大きなストレスを生みます。
いずれにしても、ケアマネジャー交代を希望する場合は、我慢しないで速やかに申し出ることです。
さてそうすると、どこの誰に言うべきかですよね。
本人に言えるなら良いのですが、なかなか角の立つものでしょう。
ここはケアマネジャーが在籍する事業所の管理者に申し出るのが適当だと思います。ただし、ひとりケアマネさんで管理者兼務の場合などは、外部に依頼します。
そういう時に、間に立って上手に調整してくれるのが地域包括支援センターです。
事情を話したら、親身にまた穏便に対応してくれますよ。
たとえいくつになっても、利用者さんにも未来があります。それをちゃんと理解しているケアマネジャーを見つけてくださいね。