家族介護については考え込んでしまうことがたくさんあります。家族を介護する義務はあるのか、それについて考えてみましょう。
家族を介護する義務はあるの?
家族が介護をすることを強制されることは決してなく、家族を介護する義務は、法律上では存在しません。
法的な義務は存在しないが、倫理的な責任がある
法的な義務はありませんが、そこには倫理的な責任が存在するのです。これが千差万別、家族が一様にいかないところでしょう。一般論では、家族はお互いに支え合う関係にあり、特に高齢者や病気の人を抱える場合は、家族がサポートすることが望ましいとされています。
家族が介護をすることで、安心感や絆が深まるという観点から、家族同士のコミュニケーションが増え、お互いに支え合うことで、絆がより強くなると考えられるからです。
しかし、家族の在り方や、それまでの家族の関係性によっては、介護による負担やストレスを大きく感じる場合があります。特に、介護が長く続くことで、家族の時間や自由が制限されます。
仕事や家庭の両立が難しくなる場合や、介護に必要なスキルや知識が不足している場合は、家族介護の負担は家族の心身の不健全を生み、関係性を悪化させ家庭崩壊につながることもあります。
社会的支援の重要性
介護したいと思うからするのです。したくないと思う人はしないでよいのです。
親御さんも子供たちに迷惑をかけようとは思わないはず。子どもが辛い思いをしてまで自分の介護をして喜ぶ親はいないでしょう。
したいと思ってもできない人。したくない、と思う人。いづれにしても何らからの理由で、親の介護を出来ない人たちはまず、自分を責めてはいけません。自分を責める必要など何らないのです。
親はそんなことで子供を恨んだりはしないものです。
ただ、逆に何らかの理由で親の介護をすることになったけれど、どこまで続けなければならないのかがわからない。精神的にも負担が大きくて、日に日に疲弊してしまう家族が現実には多く見られます。
子供の頃からの親子関係のままに同居を継続できる家族がどれほどあるでしょうか。配偶者と新しい家庭を持った時点から、子供の頃の親子の関係性は変化してあたりまえなのです。
再度同居するにしても別居介護にしても配偶者や嫁舅の関係や孫の存在など、新しい関係性の構築をしなければなりません。
まして認知症の介護となると、互いの気持ちの疎通が困難となり、健全な関係性を作れないまま、家族の一人に重い負担を背負わせることになりかねません。
社会の公的サービスはそのために作られています。
さあ、上手に社会資源や介護サービスを利用して、自分のためにも充実した介護生活をおくりましょう。