高齢者のケアは、食事介助や排泄介護だけではありません。
ハードなケアは専門職にとって、最も基本で大事なことですが、人生のQOLを高くするためのケアがあります。
どれほど介護を受ける方々の心に焦点をあてたケアができるかが、専門職に問われる時代です。
専門職にはこだわりというか、それぞれのプライドがあるせいでしょうか、試験のない資格を認めたくない傾向があるようです。
ですが、価値あるものはこだわりを捨てて検討してみるべきでしょう。
利用者様が何を望むかで判断すべきだと思います。若いころ営業職をたたみ込まれた身としては、ついそこから発想してしまうのです。
高齢者のためのリラクゼーション技術
高齢者の施設内で今、アロマやマッサージによるリラクゼーションを図り、より良い介護に生かしたいという看護師、介護士の方々の取得が徐々に増えている資格があります。
高齢者施設では、介護はもとより医療対応、身体と脳の維持と活力を引き出す個別リハビリ、おいしく健康のためのフレイル予防食と同時に嚥下トレーニング、また脳機能の維持及び改善のための学習療法などが計画的に行われます。されに生活意欲や情緒の維持のために園芸療法などもあります。
そのほかにもイベントとして多彩なアクティビティが催されます。
その中で穏やかな感情を保ち、満足や充足感を得ることで認知症の方に大きな効果がみられるとして男女問わず美容に関する施術を積極的にスケジュールに取り入れるようになりました。
もちろん、介護のプロフェッショナルの方にとっては美容など「はたけ違い」と感じるのも無理はありません。
しかし必要な介護の提供のみでなく、利用者様にとっての毎日の生活は多様な刺激を受けられるものでなくてはならないはず。そのような環境を整えてさし上げるのもプロが出来ることだと思います。
高齢者施設が積極的に取り入れていること
そのような目的からでしょうか、最近ではアロマテラピーやリラクゼーションマッサージなどが施設内で盛んにおこなわれるようになりました。
高齢者の方々の心身の活性化に大きな効果がみられているからです。
とくに専門職ですら意思の疎通が困難な認知症の方々にはとっておきのコミュニケーションツールではないでしょうか。
専門職の皆様は経験から十分理解されていることですが、肌が触れ合うことで認知症独特の症状が静まったり、不眠が和らいだり、悪化を遅らせたりする効果がみられます。
お年寄りの頬や手足を、手のひらの温かみで包んでさし上げるだけでも心が静まり穏やかな効果をもたらすのです。
ただし、何の理由もなくいきなり肌に触れようとすることはできませんね。認知症の方には警戒を強め、さらに興奮を増してしまうでしょう。
リラクゼーションのための資格が必要な理由
そんな時にリハビリセラピストの知識と手技があれば、自信を持って対応することができるのではないでしょうか。
もっとも当のご本人もご家族にしてみても、マッサージやリラクゼーションの知識や技術が全くないスタッフにみよう見まねで施術してほしくはないでしょう。
かといって毎回、専門のセラピストやインストラクター、鍼灸師さんをお招きするわけにもいきません。なぜなら、そういった施術はご本人の心身の状態を見ながら、日常の暮らしのなかで自然にして差し上げるものだからです。
介護リハビリセラピスト認定資格 は利用者様に対し一歩踏み出したい思いに応え、真似事ではなく知識に裏付けされたゆるぎない自信を持たせてくれるものになるでしょう。
これからの介護のプロこそ持っていたい資格
在宅を訪問するスタッフさんたちもこの手技をマスターしていれば、どれほどご本人、ご家族の信頼をつなぐのに役立つことかと思います。
ただし、現在の在宅訪問のヘルパーさんたちは時間から時間に追われ、ゆっくり利用者様と触れ合うことはできないかもしれませんね。
しかし困難な場面に遭遇した時に、きっとこの資格があなたを救ってくれることがあるでしょう。また有資格者の中で差別化を図るには就職や転職にも有利な資格といえるでしょう。
もし、自宅で介護をされているご家族がおられたら、ご家族だって同じ介護者の仲間です。
この資格を持つことは技能だけでなく、介護者の気持ちに自信を与えてくれるでしょう。
技能に裏付けられたスキンシップが、困難で苦しい家族介護を打開し、新しい関係をつくってくれると思います。