遠距離介護でいちばん心配なことは

遠距離介護
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遠距離家族介護の共通の悩み事について解決しましょう

離れて住む両親が高齢になり、日常生活が困難になったり、認知機能がおちてきたりしたら家族はいつも気にかかっているものです。
まして入院や退院後などがあると、身に迫られる問題になります。

いつかくる介護生活に向けて、普段から心の準備を行いましょう。

お父さん大丈夫?

退院後、ひとりで暮らせるかなぁ?

だぁいじょうぶ、大丈夫

隣に〇〇さんもいるから手伝ってくれるって

介護保険でヘルパーさんに来てもらおうか?

そんなのは要らんよ

知らない人は気を遣うし、お前がときどき来てくれんかのぉ?

「それが出来るなら苦労はしません」娘さんはあたまを抱えてしまいます。
だって、仕事は休めないし、夫と子供の面倒は誰が見るのよぉ?!

近くに呼び寄せるのが良いのか?!

歳をとったものは田舎くらし、若い者は都会で生活をするのがライフスタイルになった昨今。元気な間は、帰省の楽しみもあり田舎を守ってくれる両親に感謝をするものの、両親も高齢になり日常生活がおぼつかなくなると、この距離が悩みの種になってきます。

親に介護が必要になった時、だれしも家族が考え悩むことは共通しています。
まず、呼び寄せて自分の手元に置くことができないかと考えます。
同居や、家族が近くて行きやすい施設に、預ける方法などを検討するのではありませんか。
ところが、当の本人(親)は首を縦に振りません。
最後まで自分の家で暮らしたいと言われ、また悩んでしまいます。

都会でなければ受けられない高度な治療のための短期移動などは別として、環境を変えることは、高齢者にとって大きなリスクになることを認識するべきでしょう。
知らない土地で家族以外は知る人もいない環境は、かなりの確率で認知症を引き起こし、進行させることが知られています。

同居して独りぼっちは独居よりさびしい

それに若い方たちは毎日、仕事や学校に忙殺されているのではありませんか?
どれほど転居させた家族と一緒にいる時間があるのでしょうか。まして、自分たちが介護できないから、何らかの理由で同居は出来ないからと、安易に施設に入れるとしたら、それこそ残存機能まで失くしてしまう危険があります。

子どもと一緒に暮らせる喜びで、大決心のうえ見知らぬ土地に移って来た親御さんにしても、気がつけば右も左もわからず引きこもる毎日で、こんなはずではと思うでしょう。
自分のことで息子や娘の家族がぎくしゃくするのを感じて辛い思いをし「自分が来たばっかりに」と思い悩むかもしれません。

世間体やこうしなければならないではなく本人の希望をよく聞いて検討しましょう。
生活不便より愛する人がそばに居ながら孤独であることの方がとても辛いものです。

自分が介護のために帰省しなければならない?!

姉妹で交代介護をしている人を良く見かけます。
兄弟と姉妹の場合、どうしても女姉妹が中心になっているのは面白い特徴です。まだまだ介護は女性という風潮が根強いのでしょうか。

ただし、一人っ子の場合はどうしましょう。親の介護の全負担が一人にかかってくるのです。
さらに介護者の家族の協力が十分でない場合はどうでしょうか。考えただけで苦しくなりますね。心身負担が大きすぎて介護生活が破綻をきたすのは目に見えています。
介護はいつまでという期限付きではありませんから、無理を続ければ、介護する側の健康を損ねたり、生活破綻が起きてしまいます。

どうしても自分たちで遠距離介護を計画したいときは、介護を受ける人の生活能力を的確に判断し、どうしても必要な部分を交代で看ていくと良いでしょう。
その場合はノートを共有するなどして介護者同士の連携を密にとることが大切です。
公的サービスを利用する場合にも、詳細な連絡は質のよい生活実現につながります。

きちんと記録をとり専門職に報告連絡するなど、男兄弟のみで親の遠距離介護を見事な連携作業で行っている方たちが多くみられるようになりました。
ただし、くれぐれも義務感で無理をしてはいけません。

施設入所は十分検討する必要がある

「知らないところにはいまさら行きたくない」との本人の思いが強く、子供たちもそれぞれの理由で、また子供が一人しかいないなどで、定期に親の元を訪問することができない場合は、施設入所検討も視野に入れましょう。ただし、住み慣れた土地での施設で、友人や知人が気軽に立ち寄れる場所を選びましょう。
しかも、かならず本人が希望する場合です。

もちろん、介護をどれほど必要とする状態なのか、また経済状況等の検討を要したうえでのことですが、本人が納得し望むのならそれが家族にとってもいちばん安心でしょう。

離れたままで介護をうける方法

親も子も、それぞれの創り上げた生活を壊すことなく介護ができたら、何よりではないでしょうか。ここではその方法を認識しましょう。

そのためには、「自分が」「家族の私が」と思わないことです。
介護保険制度はみんなが寄り添えるように作られたものであるので、十二分に利用することにしましょう。

まずは、近隣の親しくしている方々にご挨拶まわりをしながら、介護が必要になった状況を説明しましょう。公私を問わず、援助者を一人でも多く集めましょう。
とくに認知症の初期の場合は、他人からみて判断がつかないことが多いので日常の詳細なこともお話しするのがよいでしょう。
決して身内の恥とか思ってはいけません。介護生活では、近隣の人の理解がなにより大切になります。

そして、家族介護者の代表は自分であることと、電話番号やメールなどを伝え、困りごとも含めささいなことでも連絡をくれるようにお願いしましょう。このとき大事なことは、窓口をひとりに決めておくことです。そうしないと連絡する人が迷いますし、そのたび反応が違うのは困ります。キーパーソンと呼びますが、家族全体の意見をまとめる役を担います。
もちろん、ご近所まわりには手土産を忘れずに。(笑)

介護を必要とする者の居住地にある介護保険窓口に相談する

まずは、親御さんの住んでいる地域の介護保険課に足を運んでください。
もしくは、同じ校区内に設置されている地域包括支援センター(いきいきセンター)でも親身に相談にのってくれます。

相談に行くときには、介護を要する人の介護保険証をお持ちください。
介護保険証は申請して要介護の欄に数字が記入されていれば、すぐにサービス利用が可能になりますが、無記入の場合には申請方法から丁寧に説明してくれるでしょう。場合によっては代行していただけます。

介護保険サービス利用までに至る経緯は以下にまとめています。

それぞれのご家族に合った援助の方法を提示してくれます。具体的な介護の形がつかめると安心感を持つことができるでしょう。

近隣の顔なじみの方たちに助けられ、介護保険サービスで日常の定期訪問を受けながら、リハビリやストレス解消を行うなど、日常生活機能を保ち、楽しく住み慣れた自宅暮らしを続けている人が現在ではたくさん居られます。
ご家族は遠方でサービス関係者と連携しながら、安心して親の状態を見守ることができるのです。すべて「私が」ではなく、要介護者が安心して暮らせる環境を作ってあげるのも大事な介護のひとつです。

他府県でも介護保険サービスが受けられる

そうしてときどき子供のいるところに遊びに来るのも楽しいでしょう。
要介護者が他府県に移動しても、介護保険サービスは自宅にいた時のように受けることができます。

その際の手続きは、ケアマネジャーや介護保険課が協力してしてくれますので心配は要りません。ただし、何らかの理由で滞在が長期にわたる場合はこちらを参考にしてください。